50円の「重み」を再確認してみる
格ゲー勢のなかには、社会人としてお金を稼いでる人も多いと思います。
収入があれば、懐に余裕が生まれる。つまり、学生時代よりもたくさん乱入できるということです。
しかし、僕は思います。「持てるお金が増えたぶん、1回1回の乱入の重みが薄れていっているのではないか」と。
高校時代は弁当代を削ってゲーセンに通った、なんて人もいるのではないでしょうか。
そこで考えました。
自分で50円の「重み」を増やせば、ワンクレジットを大切にすることができるのではないか、と・・・!!
前置きはここらへんにして、具体的な話に移りましょう。
50円の重みを増やすとは、つまり、「1枚の50円玉をムチャクチャ丹精こめて育てる」そして「その1枚を使って対戦相手に勝負を挑み、50円玉1枚の大切さを再確認する」ということです!
今回用意したのは、この50円玉。なんの変哲もない、平成元年製造の50円硬貨です。
これからこの50円玉と共に暮らし、信頼関係を築いていこうと思います。
まず手始めに、50円玉に名前をつけることにしました。
多少安直ではありますが、50ということで「五十嵐」と名前をつけることにしました。
「名前じゃなくて苗字じゃねーか」というツッコミもあるかと思いますが、うるっせえ。
さて、五十嵐は僕のお財布のなかに無造作に入れられていました。ですから、まずはきれいに磨いてあげなくてはいけません。
Googleで調べてみると、以下のふたつの方法が見つかりました。
①クレンザーで磨くとピカピカになるよ
②お酢につけておくとピカピカになるよ
らしいです。というわけで。
クレンザーとハブラシを用意しました。
早速五十嵐にクレンザーをぶっかけ、ハブラシで磨きます。
白い液体をかけられた50円玉。これを見て興奮した人は頭がおかしいので、病院に行くことをおすすめします。
僕は来週の休みに診察を受けようと思います。
裏側? も、念入りにキレイにしてあげます。
「よーしよし、よしよしよし」と声をかけながら磨いてあげると良いでしょう。
一通りキレイにできたら、流水でクレンザーを洗い流します。
十分に洗剤を洗い流したら、次のステップ「お酢に漬ける」を実践したいと思います!!
すし酢。
ジョボジョボミラジョボビッチ。
五十嵐が完全にお酢にひたされました。この状態で一晩寝かせます。
翌朝になったら流水で洗い流し、柔らかい布で拭いてあげます。
するとどうでしょう。
うおおおおおお!
ピッカピカやあああああ!!!!!!
とんでもなくキレイになりました。五十嵐も満足げな表情です。
頑張ったかいがあるというものですね。
次のステップとして、五十嵐のためのベッドを作ります。
これは、家にあった手頃な小物入れに、「鼻セレブ」という高級ティッシュを敷き詰めて作りました。
なんという豪華なベッド。未だかつて、これほどまでに良い待遇を受けた50円玉があったでしょうか。いや、ありません。
食事は氷砂糖をあげることにしました。50円玉が何を主食とするのかわからなかったので、Yahoo知恵袋に尋ねようかとも思ったのですが、「キチガイ死ね」と言われそうなので自分で考えました。
モリモリ食べるんだぞ。
こうして僕と五十嵐の生活は続き、月日は過ぎていきました。
五十嵐との信頼関係は無事に築かれ、いつしか僕らは固い絆で結ばれるようになったのです。
そしていよいよ、その日が訪れました。
五十嵐を使って対戦をする日が来たのです。
やってきましたゲームセンター。
この時僕は、いつもゲーセンに行く時と違った感覚を覚えていました。
「このワンプレイ、絶対に負けられない」
すると、五十嵐から返事が返ってきました。
「今までホンマありがとな。ワイは筐体へと飲まれるが、心はいつも一緒やで」
※造幣局が大阪にあるので、五十嵐の声は関西弁でお送りしています。
はやる気持ちを抑え、3rdの筐体のところへ。
このとき僕のなかには、今までの五十嵐との思い出が蘇ってきました。
楽しかった思い出、辛かった思い出。
渋谷会館がブッ潰れた思い出。
色んな思い出があるけれど、今となってはすべてが輝いて見えます。
さああ、いくぞ五十嵐!!! 俺たちの絆を、今こそ!
100円1クレの筐体だった!!
その後、用なしとなった五十嵐はコカコーラの代金の一部としてコンビニの収益になりました。
コーラは相変わらずメチャ美味かったです。
~おしまい~
※スペシャルサンクス※
今回おじゃましたのは、自由が丘にある「プリンス」という老舗ゲームセンターです。
3rdのほか、鉄拳やKOF、最新の音ゲー、ガンダムも充実しています。
麻雀格闘倶楽部の周辺には、老舗らしいレトロな空気が漂っています。
非常に良い感じの空気です。
地下に降りていくと、階段の踊り場に「大人の遊び場」の文字。
どこがどう大人なのかわかりませんが、とにかく大人が遊ぶゲーセンなのでしょう。
しかし僕の後ろでは小学生が太鼓の達人やってました。
なんと!地下に入るとダーツまでありました。ビデオゲームだけでなく、幅広い遊びを提供する、自由が丘プリンス。
3rdを含め格闘ゲームは100円1クレジットと少しお高めですが、自由が丘にご用がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
それでは。